· 

フッ素入り歯磨き粉は危険?

 こんにちは。並木町歯科です!

 

 患者さんからよく聞かれる質問の中に「フッ素入りの歯磨き粉って使ったほうがいいの?」というものがあります。

 

 SNSやネット上では

 「フッ素は体に悪い」

 「自然派がいいからフッ素は避けてる」

という声もよく見かけます。

 

 でも、フッ素は正しく使えば虫歯予防にとって非常に有効で、安全性も確認されている成分なんですよ。

 

 今日は、歯科衛生士の視点から「フッ素の必要性」「安全性」「選び方」「正しい使い方」について、お話して見ようと思います。

 

 まず、フッ素は自然界にも存在する「ミネラル成分」のひとつで、歯の表面を強くし、虫歯の原因菌の働きを弱める効果があります。

 

 フッ素の3つの働き

 ①歯を再石灰化する(初期虫歯を修復)

 ➁エナメル質を強化する(虫歯に強くなる)

 ③虫歯菌の活動を抑える(酸を出させにくくする)

 

 つまり、虫歯予防には欠かせない存在なんです。

 

 しかし「フッ素は危険」というウワサもありますよね。一部で「フッ素=有害」という話も見かけますが、これは大量に摂取した場合の話です。

 

  日本で市販されている歯磨き粉のフッ素濃度は、厳しく安全基準が設けられています。歯磨き粉の中に、むやみに高濃度のフッ素を入れられるわけではないのです。

 

  子ども用の歯磨き粉も、年齢に合わせたフッ素量になっていて、正しく使えばまったく問題ありません。

 

 世界的にもWHO(世界保健機関)やFDI(国際歯科連盟)がフッ素の虫歯予防効果と安全性を認めています。

 

 ではここからは、どのフッ素入り歯磨き粉を選べばいいのかお話しします。

 ポイントは「フッ素濃度」と「使う人の年齢・リスク」です

 

 年齢・条件 推奨フッ素濃度 例

 

0〜5歳 500〜1,000ppm 

6〜14歳 1,000ppm程度

15歳以上・成人 1,450ppm 

 

※「ppm(ピーピーエム)」はフッ素の濃度を表す単位です。

 

 ☆フッ素入り歯磨き粉の効果的な使い方

 ・歯磨き粉の量は多めに(大人は1〜2cm)

 ・ブラッシングは2〜3分しっかり

 ・すすぎは少なめに(5〜15mlの水で1回がベスト)

 ・磨いた後30分は飲食を控える

 

 実は、歯磨きのあと、お口のをすすぎすぎると、せっかくのフッ素が流れてしまいます!ですので、少量のお水でお口をすすいで、歯磨き粉の成分がお口の中に留まるようにしましょう!

 

 歯科衛生士からのアドバイス

「虫歯になってから治す」のではなく、「虫歯にならないように予防する」ことが、今の歯科医療の考え方です。

 そして、毎日の歯みがきはその第一歩。フッ素入り歯磨き粉は、虫歯予防の強いの味方になります。

 

 

 もちろん「できるだけ自然なものを使いたい」「子どもには心配」…という気持ちもよくわかります。でも、必要以上に怖がらず、正しく知って、うまく取り入れていくことが大切です。